本屋さん以外のショップでも本を販売できる

活字離れなど、本が売れなくなっているというニュースを頻繁に耳にします。私自身は比較的、本を読む方なのですが、それでも電子書籍で購入することが増えたので、書店に行く回数は減りました。 以前、住んでいた場所の周辺には書店が6店ありました。しかし、現在も残っているのは3店です。 そのような中、書店の取り次ぎも新しい需要を掘り出すべく、新たな取り組みを始めたようです。日経ビジネスに次のような記事が掲載されていました。
日経ビジネス電子版

大手出版流通で取り扱われない独立系書店や書店以外の業態の店舗向けに、最低1冊から本を卸売りするサービスが広がりつつある。…

書店のビジネスモデル

書店のビジネスモデルは委託販売です。 上記の記事にも書かれていますが、取り次ぎが各店舗へ卸す本の冊数を決めて、書店に販売を委託します。委託販売なので、書店は売れたらそこからマージンをもらい、売れなければ取次に返本します。この各店舗に本を配置することを配本と呼びます。 取次は書店と出版社との間で本の仕入れと卸を行う会社です。書店は出版社と直接契約するのではなく、取次社と契約をします。取次社がリスクを負うというビジネスモデルです。
著者から読者までのリアル書籍の流れのイメージ
著者から読者までのリアル書籍の流れのイメージ
この通り、読者と著者との間には様々な人や会社が介在しています。それもあって、著者の収入となる印税は8%から12%くらいが一般的です。海外の著者の場合、出版社と著者の間にエージェントを介する場合もあり、その場合にはエージェントの取り分も必要になり、印税は5%程度になる場合もあります。 一方、電子書籍の場合には、次のようになります。
著者から読者までの電子書籍の流れのイメージ
著者から読者までの電子書籍の流れのイメージ
この場合、介在する人や会社が減るので、著者の印税は15%から20%くらいになります。出版社も入れない場合には、プラットフォームとの契約内容によって、30%から70%くらいになります。 但し、電子書籍も色々なプラットフォームがあるので、それら全部に出そうと思う場合には電書籍の取次を行う会社を入れる場合があります。リアル書籍と違い、各プラットフォームに合わせたファイルに変換したりします。 この場合は物流コストと印刷コストの削減のみになるので、著者に入る印税はリアル書籍よりも1%から2%程度増えるようになるでしょう。

数をさばく必要がある

委託販売であるため、取次はリスクを負っています。書店も本が売れなければ、利益にならないので同じようにリスクを負っています。そのため、最低でも売らなければいけない冊数というものがあります。 それもあり、取次から見れば、小規模店舗や書店以外の業態の店舗に本を配本するのは難しいと考えるのだと思います。 この記事で紹介されている「ホワイエ」は楽天ブックスネットワークが運営しているサービスです。他の取次社と違い、数が出ないお店、書店以外のお店にも配本を行うサービスだそうです。 書店以外の店舗の場合、本の販売については売らなければいけない最低ラインは、書店よりも下がります。そうなれば、後は取次側がリスクを引き受けられるかになります。このサービスで配本するのは、取次の在庫だそうです。在庫をさばけるのであれば、取次にとってもメリットになりますし、配本先はその本を好みそうな人が来る店舗となれば、普通の書店に配本するのを待っているよりも売れる可能性が高そうです。
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